柏木です。コロナウイルス対策で静かに始まった3月1日の就活解禁。あっという間に「日経平均株価」という景気を表す指標が下がり、様々な会社が不景気モードに切り替わりつつあります。この記事は、何が起こっているかわからないうちに、そして、中々大学や同世代と会うインターンシップなどがなく不安に感じている21歳前後の皆さんにお送りします。
残念ながら私は高卒でして、21歳の頃は「あれ?なんか先輩から聞いてた1000倍くらい仕事大変なんだけど…」と、よくわからないけどやるしかねぇ。という状態で仕事をしていたので、具体的な就活の事例はお伝えできませんが(ごめん)21歳で社会のド現場で何を感じていたかを思い出しながらお伝えします。
今、何が起きているか?
企業が採用をするのは、会社を大きくしたり事業を前に進めるからなのですが、人を採用するには年間数百万円のお金がかかります。採用してからは1人あたり初任給の平均約20数万円の給料と、パソコンや社会保険料、オフィスの不動産賃料など色々なお金がかかります。各社、このお金を長期的に作り出せると見立てて採用活動を行っています。
景気が悪くなると、今いる人の雇用を守るためのお金を会社はまず一番に考える必要があるので、必然的に新卒採用を控える会社が増えてきます。
「新卒採用」は毎年あるものではなく、 「世の中の相場」によって状況が変動するものなのです。去年まで当たり前にあったものが一気に少なくなる恐れがあるのが今、起きていることです。
先輩から教えて貰うアドバイスのほとんどが無意味
ちょっと言い過ぎかも知れないけど、景気の潮目が変わると、仕事も就活も「先輩から教えて貰うことのほとんどが無意味」なほどに状況が変わっています。
私は仕事を先輩から教えて貰っていたにも関わらず、教えてもらうアドバイスのほとんどが「それで上手くいってたら相談してないですヨォオオオ!!」と思うくらい、状況が厳しくて、「そもそもなんでこのタイミングで不景気なの?」とばかり思ってました。当時のリーマンショックの不景気は、100年に1度の不景気と言われていたのですが、「なんで100年に1度が今年???」しか考えていなかったのが本音です。
でも、先輩や状況を恨んでも仕方がありません。
「不公平が公平に起こりえる。」という理不尽なルールが実際にあるのが世の中で、このルールをいかに早く察知してそのルールの中で自分がどう戦っていくのか。がまず考えることです。なぜ不景気になったかの正解を考えるよりも、不景気がどうやったら改善するかよりも、この状況で自分はどう考えるか?を1番に考えることが大事です。
苦しいときに見せる顔が、企業の本当の姿
では、この不景気時代に新しい会社に行くことは全てが不遇なのか。いいえ、それは違います。この切羽詰まった状況だから見せる企業の顔が、本当の顔です。
景気が良くて、対面でもオンラインでも何でもイベントが出来て、景気の見通しも立ってる「余裕がある」状態では、どんな企業だって自分たちを良く見せられます。
でも、景気の見立てが不透明で、イベントの実施に制限があり、去年と同じでは全く成り立たない状況になった時、そんな時でもあなたを未来の仲間として誠実に向き合ってくれるか?
自分たちを良く見せる余裕がない状況でも対等に扱ってくれる企業かどうか、財務体質なのかどうかは去年までは中々判断がつかなかったところでしょう。
良い会社を選びたいという視点では、ピンチな状況の中で見えるチャンスです。
悲観して計画して、機会を見つけてチャンスに変える
経済が止まろうと、学校が急遽休みになろうと、家にいることを要望されようと、どんな時でも時間は進み、自分の人生は進んでしまうのです。
私自身、「あの時、こうしておけば…」と過去を振り返りたくなることは、沢山沢山あったけど、過去を振り返っても不景気は変わらなかったし、終わりの見えないマラソンのようでとにかく精神が落ち着きませんでした。
状況はいつ好転するかも、悪化するかもわかりません。それでも、時間は進み、人生は進んでいくのです。自分自身の計画を、悲観的に考えきったら頭より先にハートが「はい!ここが!どん底!!!これ以上考えても何も出ないから!!!」みたいな開き直りを見つけて行動できるようになります。
そうなったら、皆が見つけていない機会は何か?チャンスに変えられるか?皆がピンチだと思っているけど、チャンスなことはないか?を探していきます。
世の中に、「見るからにチャンス」など無いのです。目の前にあるのは、「選択の機会」が沢山ころがっていて、「選択の機会」を超ラッキーにするか、どうにかしてラッキーにするか、最悪の機会にならないように避けるか。の三択しか有りません。そのためには、偶然を偶然と思って見過ごさないことです。
考えを止めない。ルールに縛られすぎない。
では見過ごさないようにするには、自分が自分と対話するように、ずっと考えを止めないことです。
「社会人になるっていうことは、正解のない世の中に飛び込むこと」という聞こえの良いフレーズが一時流行った気がしますが、社会には「自ら計算式(問い)を作り、最適解を見つけていくこと」が求められる瞬間が沢山あります。
これからいっぱい「これで良かったのか?」と振り返ることが増えることでしょう。でも、そんな先が見えない中で過去だけを振り返っていても変化する状況の中で機会をチャンスに変えられないのです。「この選択を最善にするにはどうしたらいいか?どんな結果が必要か?」をまず考えるのです。
21歳でどうしてそこまで考えなきゃいけないのかって?
ね、何ででしょうね。私も思いました。沢山思いました。
きっと私より年上世代はもっと仕事が簡単で、楽で、更に上の世代はバブルとか有って…なんで今なんだ、なんで私がこの状況にいるんだ、あの朗らかな日々はどうして消え去ってしまったんだ…この苦しみは誰だったら共感してくれるんだろうかと沢山泣きました。
その時をくぐり抜けた仲間だけが共感しくれます。ずっと共感してくれます。
きっとあなたの同級生やこれから就活で知り合う世代だけが共感してくれるはずです。それで良いんだと思います。そしていつかまた来るであろう景気の変化に誰よりも敏感になれるはずです。
いつか振り返ってこの経験が良いものになるように、自分の考えを止めずに、その時その時良いと思う判断をルールに縛られずに進めていくことです。
進めていく先できっと、必ず仲間に出会うはずです。
自分の心の支えになる、信念のような一言を。
とはいえ、こんな予想も出来なかった非日常な時間を、自分の考えだけでどうにかしようと思うと感情がジェットコースターのように乱高下します。
なにか自分の心の支えになるような信念のような一言をぜひ見つけてください。人は(特に私は)状況が上手くいかないと、自分が決めた目標や状況が悪いと思い、自分の中で決めた信念をすぐに変えてしまいます。そういう生き物だと思っています。
100年に一度の不況がやってきたあの時、私は信念のように
「逆境の大きさこそ、自分の器を大きくする」というキーワードを、おまじないのように唱えながら日々不安と向き合いながら仕事をしていました。
私が社会人だから出来たとか、自信があったから出来たとかじゃなく、正直、そうでもしないとやってこれなかった。に近いです。でもそうこうしているうちに仲間が増えて、「あぁ自分だけじゃないんだ…」と思えることが出来て、ある日から自然と頑張れるようになったのを覚えています。
状況がどう変わるか、良くなるかどうかを判断するほどの経験とセンスをもっていませんが、あの頃の不安だった自分を思い出し、少しでも状況を理解できる機会になればいいなと思います。
最後に
あなたの不安を煽りたいわけではありません。実態のない不確かな期待を持たせたい訳でもありません。もしかしたら明日には、色んなことが解決に繋がるかもしれないし、その時はその時でホッとしたいなと思います。
この状況だから得られることを見いだして、明日も頑張りましょう。
In the middle of difficulty lies opportunity.(困難の中に、機会がある)
私はこの言葉を今の信念に、私も頑張ります。
株式会社ミライヘ代表取締役
GCDF-Japanキャリアカウンセラー/国家資格キャリアコンサルタント
転職や仕事の岐路を切り抜けるキャリア面談をやってます。
好きな食べ物:チキンカツ・ピザ あと、別軸で東京で1番小さい社長を目指してます。