⑩メキシコに住む。~現地での仕事の探し方~

こんにちは。メキシコ在住フリーランスのワカです。株式会社ミライヘも創業3年目。柏木社長の振り返りや3年目に向けての想いを読みながら、「あぁ、創業当時は一緒に東京の居酒屋で飲んでたなぁ」なんて呑気なことを回想してみたりしました。

20代の転職・就職を全力サポートするミライヘで、30代の私がつらつらと記事を書かせてもらえるのはとても嬉しい。でも実はこの一連の記事は、仕事に明け暮れていた28歳の私に向けて、未来から届いた日記みたいになればいいな、と思いながら毎回書いています。

「なんとかなるし、なんとかする」

これが、私が伝えたいメッセージの根幹。「この先私は大丈夫なんだろうか?」と、漠然と悩んだあの頃の私と同じように、今どこかで不安を抱えている方の目に留まることを願っています。

そういえば、柏木社長も「2年目振り返り」の記事で同じことを書いているのを発見して、一見なんの繋がりもないようなこの記事も、ふとしたタイミングで誰かの役に立つのかもな、とこっそり笑いました。(社長の記事はコチラ)

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さてさて連載はついに第10回。前回は楽園ハワイで考えたことや私なりの「思考を深める方法」について書きました。(これまでの記事はコチラ)

12月10日にメキシコへ戻った私。実はこの日は私の38回目の誕生日でした。Airbnbで予約した完全個室の部屋(誰かの家の一部を借りる、ではなくアパートの部屋全部が私のもの)で荷物をクローゼットにしまい、ひとりビールで「ハッピーバースデー」とつぶやくちょっと寂しい誕生日。

日付が変わるのを見ながら、ハワイで書いた思考ノートを広げ、これからどうするかをイメトレ。明日からでも動けそうな雰囲気を出してみたけれど、結局私が仕事を始めたのは1月末でした。

では、1ヶ月半もの間、何をしていたのか??

どうぞお付き合いください。

仕事を始めるまでの1ヶ月半。

「日本人相手のツアーガイドの仕事、紹介できますよ。」と声を掛けてくれた知り合いに連絡を取り、その会社の現場トップの方との面談を依頼。しかし困った事に、そのとき既に12月半ば。1週間後にはクリスマスが控えていました。

旅行会社は長期休暇が一番忙しい時期。現場が忙しさMAXのときに面談をしても、結局仕事ができるのは1月になるから、、、という理由で、私の面談日は1月中旬に設定されました。(観光業志望の方はご注意ください。)

ではこの期間に独学でスペイン語を勉強しよう!と思うも、全然進まない。そもそも勉強が好きではない私は、効率の良い学習法を探そうとしてネットをただ眺めるだけ、という恐ろしく意味のない時間を過ごしました。

その後だらだらと年末年始を迎え、1月に入ってからようやく面談を終えて「1月末から3日ほど研修をしましょう」と有難い言葉をもらったのにも関わらず、その直前に行ったキューバ旅行で感染症にかかり1週間以上寝込んで研修開始日をずらしてもらう、という始末。

あんなにしっかりハワイで考えたはずなのに、それすら忘れそうになる空白の1ヶ月半でした。しかし何とか仕事にありつけた私。今回はメキシコでの仕事探しについて触れようと思います。

メキシコでの仕事の探し方

私は「フリーランスで働きたい。でも就労ビザは欲しい」というワガママな希望があったため知り合いを頼りましたが、これはちょっとイレギュラーな方法。一般的に就労ビザを得るためには、現地企業でビザサポートを受けながら働く、というのが正攻法です。

これはメキシコ以外の国でもおそらく同様ですが、仕事を探すときはネットで検索します。大抵の国には職業紹介や求人案件を扱う日本の企業があるので、日本語で探すことが可能です。例えば「メキシコ 仕事探し」とかですね。もちろん勤務地や職種で絞り込みをすることもできます。

どんなスキルがいるのかは職種によりますが、私のように準備をせずに仕事探しをする人にとって、まず気になるのは語学のこと。

メキシコの公用語はスペイン語ですが、仕事探しの際は日本語+スペイン語もしくは日本語+英語が必要になります。これは日本人が仕事を探す場合、よっぽどスペイン語が流暢に話せる人以外は日系企業が最初の職場になるためです。

そして大抵の場合メキシコでは、現地企業より日系企業のほうが待遇面がしっかりしています。(エンジニアなど一部の専門職は除く。)ちなみに、よく聞く転職サイトはクイックという会社が運営しているものです。(サイトはコチラ)

仕事探しにおいて大切なこと

メキシコで5年以上働いている日本人や人事担当者など数人に話を聞いて言われたのが、ちょっと意外なことでした。それは、

ちゃんと一般常識があって、社会人経験のある、普通の人がほしい。

スキルはその次でいいと言われて驚きました。(これももちろん、専門職は除きます。)よくよく聞くと、「優秀な人はアメリカとかヨーロッパとか、先進国を目指すでしょ?ここではそういう人は採れないとわかっているから。」という、何とも切ない理由でした。

これは、「だからとりあえず行っちゃえば何とかなるよ!」ということをお伝えしたいのではなく、「だからこそ、何か魅力的なところがあると俄然有利になるよ」というお話です。

私の場合は、日本での営業経験やリーダー経験が先方に刺さりました。実際の面談の中で言われたのは次のようなことです。

●うちは営業部門が弱い。ツアーの仕事に慣れて主力商品がわかったら、営業に移ってもらっても面白いかも。
●新人の採用に力を入れるより、既存の営業部隊を教育したほうがいいかも。興味があるなら一緒にやりませんか?
●営業でその経験があるなら、コミュニケーションに関するプロですね。うちの課題は▲▲なので、それを一緒に解決できるイメージは沸きますか?

など。まぁ一旦コロナで白紙に戻ってしまったわけですが、先方に「この人が会社に加わってくれたら、こんな相乗効果が見込めるかも!」と思ってもらえることは、間違いなくプラスです。資格など目に見えるスキルでなくても、経験を買ってくれるのは有難い。

ちなみに、私のように語学力がないけれど働きたい人に門戸を開いてくれるのは、日本人を相手とした観光業や一部の日本食レストランがほとんど。「絶対にオフィスワークで!」という方は、現地の言語をある程度使える必要があります。

日系企業と言えど、法律でその規模により「現地の人を●%雇用する」という決まりがあります。ということは、同僚に現地の人がいる。メキシコであればスペイン語で最低限コミュニケーションが取れなければ働くのは難しいでしょう。

ベースは、日本での職探しと同じ。

ここまで読んでもらうと、メキシコでの仕事探しは日本のそれと大差ないことが分かってもらえると思います。企業により求めるものは多少違えど、ベースは「自社で活躍してくれそうな人」「コミュニケーションがきちんととれる人」。

そんな中で私が日本との違いを感じるのは、自己アピールの重要性。日本では謙遜気味に話したり、完璧にできること以外は強調しづらかったりしますが、海外ではすべて不要です。なぜなら、現地の人がそうだから。少しでもやったことがある、できることはしっかり言葉にしなければ戦えない。躊躇している間に先を越されてしまいます。

嘘はだめだけれど、過小評価も絶対NG、というのが私の実感です。もし「●●はできます!」と言うのに気が引けるなら、具体的な事例を出しつつ「●●という業務を行ってきました。」と伝えるのがおすすめです。少しの違いですが、「やってきたかどうか」事実を話すので、ぐっと敷居が下がりますよ。

求人内容を見ると、その国で多く求められている職種やスキルを知ることができるので、将来を見据えて何をブラッシュアップすべきか見えてくるかもしれません。

それから余談ですが、Twitterで現地で働く日本人をフォローするのもおすすめ。メキシコなどちょっとマイナーな国では、独自のルールや慣習があったりします。また事故や事件に関してもスピーディーに情報が入ってくるので、意外と役に立ちますよ。

アディオース!

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