こんにちは。メキシコ在住フリーランスのワカです。
連載第5回。前回は「生き辛さはどこからくるのか?」について私なりの答えを書きましたが、今回はその先のお話。(これまでの記事はコチラから。)
離婚、自分自身の振り返りを経て、私は2019年10月1日にアメリカへ飛び立ちました。アメリカは5年以上毎年足を運ぶほど好きな国。観光で滞在できる90日の間に何とか暮らす目処が立たないか?そう思って、無謀にも大した戦略も練らずに初めての街NYに降り立ったところからスタートします。
ニューヨークを選んだ理由。
これは驚くほど単純。「日本でいう東京でしょ?一度は行っとかなきゃ。仕事あるかもしれないし。」という今考えると恐ろしく軽いノリでした。
そこで2週間Airbnbで住む場所を変えながら滞在。自分が通ったすぐ後ろで銃声3発を聞きながら早足で帰宅したり、移民の方の家でドミニカ料理を振舞ってもらったり、はたまたオペラハウスで小道具作りをするオシャレな猫飼いの女性の家(ブルックリン)にお世話になったり。
途中ツアーアテンドの仕事のお手伝いをさせてもらいつつも、ほぼ観光といった感じで過ごしたNY。「あぁ、やっぱりアメリカはどの都市も魅力的だな。」なんて呑気なことを思いつつ、楽しい日々は一気に過ぎ去っていきます。
自分自身の”この先”に役立ちそうなことと言えば、「NYはこんな街だった」というリアルな感想を持てたことと、自分をじっくり振り返れたこと。
ちなみに、NY滞在中に降ってきた「仕事をしていても苦しかった理由・私のありたい姿」についてはnoteの記事で公開しています。
何かを手にしたくて渡ったアメリカで、私が求めていることが少しだけ見えてきた
そもそもVISAの種類とは。
話を戻して、アメリカで住むことに関して。
私は今回、日本を発つ前にアメリカで暮らす数人の方を紹介してもらっていました。それは学生や駐在員の方ではなく、どっしりこの国で腰を据えて暮らしている方々。社長さんや会社員、フリーランスの方まで様々でした。
そこでお話を聞いてぶつかったのがVISAの壁。まぁ、当然と言えば当然なのですが、ここで今一度VISAの種類について振り返ってみようと思います。(※私が2019年に個人的に調べたものなので、確実な情報については各自ご確認をお願いします。)
- 短期商用・観光ビザ(Bビザ)
- 学生ビザ(Fビザ・Mビザ)
- 研修ビザ(Jビザ)
- 専門職・就労ビザ(Hビザ)
- 商用・管理職ビザ(Eビザ・Lビザ)
- 永住権(グリーンカード)
- ビザウェイバー・ESTA.
たくさんあるようで、すぐ手に入るようなものは(ESTAを除いて)一つもないのが事実。加えて、ここ数年は政権の影響もあり、かなり取得が難しくなっています。(日本の大手企業の駐在員VISAも取得までに1年近く待たされたとか。)
NYのあと、シアトル・サンフランシスコ・ロサンゼルスでも現地の方(日本人)にお話を聞かせてもらいましたが、大半を占めたのは厳しい現実。
アメリカの大学に行ってから現地就職するか、語学学校に行きながらツテを探すか、グリーンカードをDVロッタリー(※)で一発引き当てるか、アメリカ国籍の人と結婚するか。
10年以上前なら「とりあえずアメリカに行ってから何とかする」も出来なくはなかったけれど、今はとてつもなくハードルが高いよ、というお話でした。
(※)過去5年間で、アメリカへの移住者が5万人に満たない国を対象として(日本は対象国)、5万件のグリーンカード(永住権)が抽選で発行されます。

アメリカ移住は無謀で時期尚早。
もちろん全ての方がそうだとは言いません。あくまで私の場合は、です。
ビジネスで使えるほどの英語力がなく、専門性もなく、ツテもなく、アメリカの制度も大して知らない。加えてしばらく様子を見ながら生活するほどお金の余裕もない。
仕事ができないとしたら、学生か結婚しかない訳ですが、それも残念ながらイメージが沸きませんでした。なんというか、ワクワクしない。アメリカに住むことだけを目的として行動するのは何だか違う気がするな、というのが正直な気持ちです。
今回アメリカでお話を聞いた方々は、7~20年前に渡米されています。その時とは状況や法律が異なるので、エンジニアなど一部の職種を除いては、すぐに生活が安定するのは難しい。それでも今、何が何でもアメリカで暮らす意味ってあるんだっけ?……そんなことに考えが及びました。
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事実はこんなところですが、次回 ”なぜアメリカ移住を簡単に諦めたのか?” についてもう少し掘り下げてみたいと思います。楽観的な私でも「とりあえず環境変えたら何とかなるか!」……とは思えなかった現実的な問題。
お楽しみに!
(かっしーの感想)
成功者は成功することしか思考回路にない、というのはこんな感じなのかな…と思う位、「あ、これだけ厳しくても日本にかえってくる選択肢を持たなかったんだな…」と思うと思考回路って大事ですね。良いタイミングでメキシコに行かれたと思うのか、大変なタイミングでメキシコに行かれたと思うかは受け取り手次第ですが、わかさんはメキシコを楽しんでいそうです!
北原 和司子 (きたはら わかこ)
(株)JALカーゴサービス、(株)リクルートジョブズを経てウイッグ事業で起業。その後メーカーでの新卒採用業務やスナックでの接客、住宅情報誌&ネットのADなど幅広い業界を経験し、フリーランス営業へ。現在は海外移住を目指しメキシコシティにて奮闘中。
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