こんにちは。メキシコ在住フリーランスのワカです。
連載第8回。ようやく記事が今の私の状況に追いついてきました。前回まではアメリカでしたが、今回からはメキシコです。(これまでの記事はコチラから。)
私がメキシコに降り立ったのは2019年の11月5日。11月末にはハワイ旅行へ行くことが既に決まっていたので、約3週間の滞在です。そう、実はこのとき、ハワイのあとにメキシコへ戻ってくるかは決めていませんでした。一体何がどうしてこうなったのか?
まずはメキシコ到着後の驚きや焦りについて書いてみたいと思います。

3週間お世話になった家。
「私の部屋、使います?」
そう聞いてくれたのは、前職の後輩。彼女はメキシコでホームステイをしながら日系企業で働いていて、ちょうど日本に一時帰国するタイミングでした。そして、ホテルにしようかAirbnbにしようか悩んでいた私に「約3万円で3週間泊まれますよ」と嬉しい連絡をくれたのでした。
この家は、60代のメキシコ人ご夫婦のもので、7部屋をメキシコ人や外国人留学生に貸しているとの事。メキシコについて知りたいと思っている私には有難い環境だと思い、滞在をお願いしました。
空港に着いてUberを呼び、約30分で家へ到着。部屋へスーツケースを運んだあと、リビングでご夫婦と留学生2人(韓国人とフランス人)に自己紹介し、家のルールや周辺環境について教えてもらいました。
ちなみに、このときの会話はすべて英語。そして翌日以降、私は衝撃を受けることになります。

英語が通じない!!
スーパーでも飲食店でもコンビニでも。例えば「How much?」すら通じない。そういえば、空港でもそうだった。ATMが使えなかったので外貨両替の窓口で聞こうとしたら、私の英語に返ってきたのはスペイン語だった。
家で聞いてみると「外国人の多いエリア以外は、基本的に通じないよ。」とのこと。そして困った事に道案内や標識、看板などもほとんどスペイン語の表記しかない。話す、聞く、読む、書く、の全てができないのに、さてどうしたものか。。。
数字も挨拶も何も知らない私は、「やばい。これじゃ情報収集どころじゃない。」と思いました。だって、地下鉄やバスを使うにしても、お店で何か買うにしても、誰かに何か聞かれたら答えられない。そして、自分の行きたいところや買いたいものも話せない。
到着後2日は留学生2人が交互に私に付き添ってくれて、言葉で困らないように助けてくれていました。が、彼らの本業は学生。そんなに時間を使ってもらうのは申し訳ない。どうしよう……と考えた結果、語学学校に通うことを思いつきました。
今度は英語とスペイン語のダブルパンチ。
なんとかすぐに通える学校を見つけて、2日後からのクラスに申し込み、いざ初登校。すると日本人はおろかアジア人すらいない。9割がアメリカ人で1割がヨーロッパ系。彼らのほとんどは学校でスペイン語を習ったことがある人たちで、もちろん英語もペラペラ。対して私は完全な素人。そして英語もまだまだ未熟。スペイン語を学ぶ手段として、私の英語は到底使えるものではありませんでした。
わからないスペイン語について英語で質問する彼らを横目に、その両方の言語を携帯で訳しながら授業についていくという、過酷な日々が始まりました。もはや、メキシコの大学や仕事など、もともと知りたかったものに関する情報収集は二の次に。
スペイン語を多少なりとも話せないと、最低限の生活すらできない。それに、授業が難しすぎて他のことを考える余裕がない。すべての単語を携帯で調べないと理解できない状態だったので、当時は数ページの宿題に5時間かかることもありました。
そんな生活が2週間続き、予定していたハワイ旅行が数日後に迫ったとき。私はこう思うようになりました。

メキシコに戻ってこよう。
まだまだメキシコについて何も知らない。やっと耳が慣れてきたスペイン語も忘れたくない。メキシコに住み続けるかどうかは別として、もうちょっときちんと生活してみたい。
友人と合流するハワイ旅行では、2日ほど先に着いて一人で過ごす時間も取っている。旅行が終わったらメキシコに戻るとして、そのあとどう暮らすかについて、じっくり考えよう。ホームステイ先を教えてくれた後輩のおかげで、メキシコで長く暮らす日本人とも繋がれたし、色々と聞いてみたい。
学生になるのか、仕事をするのか。ホームステイするのか、一人で暮らすのか。やりたいことや自分の心地良い空間について、贅沢にもハワイで向き合ってみようと思いました。
私が大事にしていることのひとつ。それは、自分の頭で考えて答えを出すということ。現状や情報は人に聞いたりネットで調べたりするけれど、最終的に何を選ぶかの舵取りは必ず自分でやりたい。人に決めてもらったり、誰かに合わせて行動するのはラクな時もあるけれど、自分の気持ちは絶対に無視したくない。
いつでも自由と責任の両方を抱えている状態でいたいなぁと思っています。
今回はここまで。次はメキシコに戻ってきてからのことを書こうと思います。Hasta pronto!!
かっしーの感想)
文字を見て意味が分からない場所になぜ戻ろうと思えるのか?!しかも空港でも英語通じてないのにその時は気づかなかったの?!みたいな「まじで!!」みたいな環境にいってでも、自分の舵取りを自分でやりたいと思えるって凄くないですか?!サバイバルじゃん…!順応するためにはまず飛び込んで、痛みになれてから快適になる。というスパルタ技法を思い出しました。それにしても凄いなぁ。
北原 和司子 (きたはら わかこ)
(株)JALカーゴサービス、(株)リクルートジョブズを経てウイッグ事業で起業。その後メーカーでの新卒採用業務やスナックでの接客、住宅情報誌&ネットのADなど幅広い業界を経験し、フリーランス営業へ。現在は海外移住を目指しメキシコシティにて奮闘中。
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