こんにちは。メキシコ在住フリーランスのワカです。
連載第9回。今回は楽園ハワイで考えを巡らせたときのこと。10月に日本を出てアメリカへ渡り、その後メキシコに移動し、さてこれからどうしようかという11月末から12月始めのお話です。(これまでの記事はコチラから。)
ハワイへは完全なる旅行目的でトータル12日間滞在。まずはホノルルのあるオアフ島の北西に位置するカウアイ島へ。ここで前職の上司ご夫婦と合流して4泊。その後ホノルルで友人と合流する予定を組んでいました。友人はホノルルマラソンが目的、私はその見学が目的です。

楽園でわざわざ考え事をする。
カウアイ島でのんびり過ごしたあと、ホノルルへ渡り友人が到着するまでの2日間を1人で過ごしました。これまでの振り返りとこれからの自分を考えることに集中する予定です。朝から昼までは初めての街をブラブラし、昼過ぎからひたすらホテルのそばで海を眺める贅沢な時間。
アメリカで得られたものは何だったのか?私はメキシコで何がしたいのか?そもそもメキシコである必要はあるのか?
集中力のない私は、携帯にメモをすると色々と雑念が入るので、小さなノートを準備して書いたり消したり矢印を引っ張ったり。コーヒーひとつを手にあんなに長い時間座っている日本人は私くらいではないかと今でこそ思いますが、とにかく日が暮れるまでずっと考えていました。

思考を深める方法とは?
ちょっと横道にそれますが、考え事をするって意外と難しいと私は思っています。悩むというのは、問題をごちゃごちゃに混ぜているだけ。考えるとは、答えもしくはその道筋を見出すこと。そんな風に思っているのですが、自分のこととなると中々すんなりとはいかないもの。
お金とか年齢とか時間とか人生とか。色々なポイントが重なって何を考えていたのかわからなくなることもよくある。そんなときに私がやることがあります。
それは、項目ごとに分けて考えるという方法。何かで学んだのではなく、思考がバラバラに散乱して見失ったり、集中力のない自分を繋ぎとめるために私なりに考えたやり方です。
例えばお金について考える必要があるときは、実際に細かく書き出す。それが長期的なものならば、1年とか2年とかグラフのようなものも加えて視覚的にイメージしやすくする。
そして一方からだけではなく、その反対側からも考える。出ていくお金を心配しているときは、入ってくるお金が本当に無いのか、無いとするとそれを作る方法は何かあるか?など。
大事なのは、何も否定しないこと。「いやいや、それはないでしょ」とか「これは人に迷惑がかかるかも」とか、最初の段階では全部取っ払う。目の前のことを書き出しつつ心の奥で思っていることも吐き出して、短期的な目線と長期的な目線をはっきりさせる。
もちろん、全ての項目が埋まらないこともあるし、途中で訳がわからなくなることもある。でも、それでもいいと思っています。
わからないことが何なのか、それがわかることが大事。
私はすぐ勢いで押し進めようとするので、一度立ち止まるときは、なるべく自分の頭と心の中をクリアにすることを心がけています。

そして出てきた答え。
お金と時間は有限。でもどちらも自分への投資でもある。目の前の不安にばかりとらわれて目先の安心を選ぶのは違うと思う。でも、私に志ややりたい事があるわけではない。ぐるぐる、ぐるぐる。
暗くなった公園に居続けるのはさすがに怖いので、太陽が沈むのを見届けたらホテルの自室へ。そこでビールを飲みながらノートを見返す。私の場合、夜に出した答えは怪しいという自分に関するデータがあるので、早朝にある程度の方向性を決めることが多いです。そして大抵、費やした時間に対して「え?結局これ?」というものにたどり着くのもデータ通り。
目的なく学生になるのはしんどいから働いて暮らしたい。日本ではなく海外で生活したい。ある程度の自由は欲しいから、会社員じゃなくフリーランスがいい。どうせならいくつかの国で使われてる言葉を学びたいからスペイン語を覚えたい。
「思考を深める」とか言っておいて、色々書き出して出した答えが「え、それ、最初から分かってたんじゃない?」というものに行き着くのも毎度のこと。でも、考えて答えを出したんだ、という自分の中での納得感が私にとっては大事なプロセス。
ちなみに、どの答えにも頭に「今は」と付くのが私らしさ。気が変わったらまた考えて方向転換すれば良い。自分で決めているから、誰の許可も必要ない。

楽園ハワイを超絶満喫。
その後は完全なオフモード。友人とドライブしたり、美味しいものを食べたり。早朝にホノルルマラソンへと乗り込む2人を部屋の入口で見送ってバルコニーで1人ビールで至福の時間を過ごしたり。
そういえば考え事をしている中で、私にとって「完全にひとりの時間と空間」が必要なこともわかったので、メキシコに戻ってからの滞在はAirbnbを選択。その予約も済ませました。
メキシコに戻ったらとりあえず「日本人相手のツアーガイドの仕事、紹介できますよ」と言ってくれた知り合いに連絡を取ろう。日本で働いている友人にも何か手伝えることがないか聞いてみよう。全部ダメだったら、そのときまた手段を考えよう。
私はいつも大枠しか決めないので、細かいことはすぐ予定変更します。ある程度は決めるけれど、「多分全部はうまくいかないだろうな」と心の中でソフトな覚悟を持っておくことがストレスを軽減させるポイント。
次回はメキシコに戻ってからのことを書く予定。色々考えたはずなのに、1ヶ月以上ダラダラ過ごすことになります。お楽しみに!
かっしーの感想)
一時期、「思考の整理学」という本が流行りましたが(大学ではロングセラーの本ですね)その中に書いてあった一つの手段として「思考をねかせる」、という手法を知りました。直感で考えたり、感情が高まって決めた決心を、ある一定時間熟成させるようにねかせることによって本当にその決心が正しいかを知る、というものです。
わかさんが今回考えたやり方は、この理と情のバランスがとれた最適な選択だったのだと思います。誰かに教えられた正解よりも、自分が決めた納得解の方が何百倍も頑張れる(内発的動機)ように、どんなに同じ考えでもじっくり考えてたどり着いた答えが良いものです。
色んな困難があってもやっていけるのはそんな自分なりの納得解があったからなんだな…と思いました。それでも人はだらだらしちゃうんですねぇ、一体なにがそうさせたのか、次回も興味深いです。
北原 和司子 (きたはら わかこ)
(株)JALカーゴサービス、(株)リクルートジョブズを経てウイッグ事業で起業。その後メーカーでの新卒採用業務やスナックでの接客、住宅情報誌&ネットのADなど幅広い業界を経験し、フリーランス営業へ。現在は海外移住を目指しメキシコシティにて奮闘中。
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